ホイールスペーサーは5mm以下がおすすめな理由
ドレスアップでよく使われているホイールスペーサーを知っていますか?
当サイトでは、メーカー車種ごとのインチアップ・ダウンの方法やサイズ一覧も紹介しています。
インチアップ方法とサイズ(メーカー車種別一覧)
ホイールスペーサーとは
ホイールスペーサーとは、ハブとホイールの間に挟む形で装着するものでホイールが内側に入り込み過ぎた時などに“ 出代 ”を調整するための部品です。
2枚セットで千円前後で購入することができ、手軽にできるカスタマイズ部品の一つです。
このホイールスペーサーは厚さが2mm 3mm、5mmなどがありこれ以外にもハブに取り付けるタイプのワイドトレッドスペーサーなどもあります。
誤った使い方をするととても危険
ミリ単位でホイールの奥行きを調整できるとても便利な部品ですが、あまり厚いものを取り付けてしまうとハブボルトのねじ山のかかり代が少なくなり、最悪の場合、走行中にタイヤが脱落してしまう可能性があり、とても危険です。
実際に走行中の脱落は発生していて、Youtubeにドライブレコーダーの動画がアップされていたりします。
使用するスペーサーの厚さの目安はJIS規格を参考に
スペーサーの誤った使い方をしてボルトの折損やホイールの脱落事故にならないためにも正しい使い方を知っておく必要があります。
JIS規格を参考にする
では、どのくらいまでなら比較的安全に装着することができるかですが、その指標の一つとしてJIS規格があります。
その前に日本に自動車メーカーで使われているハブボルトの種類はどれほどあるかといいますと、ほとんどがM12というものが使われています。
M12というのは、ざっくりボルトの直径のことでボルト頭の工具をかける部分ではなく、ねじがきってある部分の直径を指し、直径が12mmという意味です。
そして、この直径に対してねじのかかり代がいくらまでなら破損したり脱落せず強度を保つことができるかですが、ここでJIS規格が登場します。
JIS規格とは、日本工業規格のことで、日本における工業製品の品質改善や性能・安全性の確保と生産効率の向上などを目的に制定された国家規格のことです。
このJIS規格ですが、サイズの統一化などのほかに安全に工業製品を使うために必要な設計上の規格などを定めています。
大まかにハブボルトの直径の1.5倍のねじ山のかかりが必要
このJIS規格によるとハブボルト(鋳鉄)の場合、ざっくり直径の1.5倍のかかり代が確保できればまず問題ないとのことです(確保できるように設計してくださいということですね)。
つまり、M12サイズのハブボルトの場合、12mmの1.5倍ですから1.8mmのねじのかかり代が確保出来ておけばまず問題ないことになります。約2cmですね。
この1.5倍という数字ですが、鋳鉄での数字で、ねじのピッチや材質(アルミなど)によって異なってきます。
スペーサーの厚さは5mm以内できれば3mm以内に収めたい
以上のことから、安全を確保できるスペーサーの厚さはハブボルトの長さにもよりますが、おおまかに5mm以内、できれば3mm以内に収めたいところです。
どうしても厚いスペーサーを使わないといけない場合の対処法
購入したいサイズのホイールのオフセットだと中に入り込み過ぎてしまいブレーキ部品などに干渉して危険なため、どうしても10mm以上の厚いスペーサーを使わないといけなくなった時の対処法としてロングハブボルトやワイドトレッドスペーサーを使うという方法があります。
ロングハブボルトとは、名前の通りハブボルトの長さを延長したもので、これを使えば10mmのスペーサーなどを間に挟んでも十分なかかり代が確保できます。そしてこのロングハブボルト、実は競技用としてメーカーの純正パーツもあります。しかし、あくまで競技用であって公道用ではありません。
また、スペーサー本体を一旦ハブボルトで固定して、スペーサーに装着されているハブボルトを使ってホイールと締結するタイプのワイドトレッドスペーサーもあります。
これらを使うことでねじのかかり代は確かに確保できますが、あまりトレッド(左右車輪の距離)を広げすぎると、軸中心からの距離が長くなってしまいます。
そうすると、足回りの支持部品にかかるトルクが大きくなり、これまた車軸部品の破損につながる危険性がありますので使用はおすすめしません。
まとめ
ホイールの出代を調整するのにとても重宝するホイールスペーサーなどですが、誤った使い方をすると走行中の脱落や足回りの支持部品の破損などにつながりとても危険です。
出来れば、インチアップをする時のホイールのオフセットは極力純正品に近いものをチョイスするなどしてスペーサーは5mmできれば3mmの範囲内での使用に収めるようにしてください。
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